MATERIAL
栃木レザーとは
栃木レザーは、国内でも希少なベジタブルタンニン鞣し専門のレザーファクトリー。
160もの巨大なピット槽で、時間をかけてじっくり鞣し作業を行い、最上級の革が出来上がる。20にも及ぶ細かい作業工程は、今でも機械に頼らずプロの目と手を頼りに進められることが多く、ブランドからのオーダーや特別受注の場合は、さらに複雑な工程を経る。
強くて柔らかいヌメ革を追い求めて、長年守り続けてきた匠の仕事だ。
ベジタブルタンニン鞣しとは
約160ものピット槽を持つ国内最大の鞣し工房。
細かく分けられた各ピット槽には植物由来のタンニン溶解液が入っており、濃度の薄いタンニン槽から段階 を経て濃度の高い槽へとじっくり約20日間漬け込んでいく。
時間も手間もかかる上に広大な敷地を必要とするため、今では国内でも数少ない製法となった。化学物質を使わないこの方法で鞣されると、肌目も細かく芯までタンニン成分が繊維に浸透するため、弾力性と堅牢性のある革となる。
染色へのこだわり
栃木レザーは、ドラムを使って要望に応じた色付けをする。ベジタブルタンニンのヌメ革の場合、色が革の中に浸透しやすいため、色が定着しているか逐一ドラムを止めながらチェックする。
その後、外観の美しさを色とツヤによって強調するために銀面の塗装を行う。今でも機械を使わずスプレーガンで丁寧に色付けをしているのは、見た目の美しさだけではなく、耐久性を高めるためにも必要な作業だからだ。
天神ワークスが栃木レザーにこだわるわけとは
天神ワークスのプロダクツは全てフルベジタブルタンニン鞣しで処方された革で造られる。
栃木レザーももちろんフルベジタブルタンニン鞣しの革を長年作り上げてきた、レザータンナーの雄だ。
フルベジタブルタンニン鞣し革の特性として、使い込んだ際の革本来の風合いが美しい点、それに加え、マテリアル自体の可塑性が高く馴染みやすい。これが使用者の個性として、エイジングに現れるという魅力がある。
天神ワークスで使用する革は、通常の鞣しの倍の時間をかけて再鞣しを施し作られることで、より堅牢性と柔軟性を高める革となる。
その後、造りたいプロダクトに合わせて、栃木レザーと共にオリジナルレシピで革の処方を決め、商品化へと進めていく。
市販されているレザーではなく、プロダクツに合わせ、オリジナルレザーを開発できるのは、天神ワークスと栃木レザーとの長年の信頼関係があってこそ。ウォレットに使われる "ヘビーベジタブルタンニングレザー" や、近年開発した "オイルドキップレザー" も天神ワークスが栃木レザーと共に独自に生み出した唯一無二のレザーだ。